♢着付けを簡単にする最強の着物アイテムはなんといっても作り帯!―着物生活―
着物を着てお出かけしたいけど、その前に立ちはだかるのが「自分で着る」という高い壁。着付け教室に通えなくても、You TubeやDVDで学べる時代になりましたが、手順はわかっても、それを自分の物にしてサクサクと出来るまでにはある程度練習が必要です。
この段階で、「あーっ、できない!」と脱落してしまいがちですが、負けないで。次の一回でコツがつかめるかも、という考え方が続けるコツです。
...でもちょっと待って下さい。
目的は「着て出かける」というシンプルなもの。着付けをマスターする事が目的ではないですよね。或いはそれが目的の方も上手く行かない時は「着て出かける」を第一目標にして少しハードルを下げて始めてみませんか。
着物は「習うより慣れろ」です。
「着て出かける」が目的ならば作り帯は最強アイテムです。観光地によくあるレンタル着物屋さんも作り帯を使われていますよね。ここから始めてみませんか?恥ずかしい事なんてありません。
――作り帯のメリット・デメリット――
■メリット
①着付けが楽で、短時間で済む
これはかなりすごい事です。例えば夏の暑い時、部屋で汗だくになって着るくらいなら、作り帯でサッと手早く涼しげに着る方がいい。例えば急に悲しみのお葬式に行かなければならない時、涙にくれて帯が上手く決まらないくらいなら、故人に思いを馳せてもサッと付けられる作り帯の方がいいでしょう。夏帯と喪帯は作り帯が一本あれば必ず助かるマストアイテムです。
②見える部分が綺麗ならば、他にダメージがあっても使えるようになる
つまり繰り回しです。例えば先程の夏帯は、お太鼓に濃い黄色い変色がたくさん出ていました。しみぬきしてもとれませんし、金加工などの加工をすればこの青い帯はかなり雰囲気が変わってしまいます。でも幸いにも裏の返りの部分はしみ一つ無く綺麗だったので、そこを表に作り帯にして復活。
こちらの帯は同様に表の地色が色褪せて、カビの変色も少し出ていたので、柄をくり抜いて裏の返りに付け替え、作り帯にして復活しました。
③短い帯でも使えるようになる
昔の帯やアンティークの可愛い帯には短い物が多く、また、着物を着ると胴回りは太くなりますから、扱いに慣れていない初心者が結ぶには少し難しい。でも、作り帯は切らずに作るタイプもあります。ポイント柄の帯も、柄が出ない!と悩まずに済みます。
その他にも、手や肩をちょっと痛めていたり、急に着物が着たくなって時間のない時にも、何本かあると便利なんですね。まさに最強アイテムです。
■デメリット
①一体型の場合、保管に場所をとる
場所をとらずに保管したい方は、帯を切って作る二部式タイプをおすすめします。
切るのに抵抗のある方や、そのまま背中に背負いたい方は、お太鼓が薄いランドセルのような嵩になりますから、たくさんあると保管に場所をとります。(専用の箱はございます)
②一体型の場合、柄行きに変化がない
お太鼓の柄を少し上下にずらしたり、前柄を少し左右にずらしたりするのが、一体型は固定されてしまいます。
❊ちなみにですが…
帯を切る事に抵抗があるので初めは切らないタイプを作られる方が多くおられます。再びほどいて普通の帯に戻せるのでそうされるわけですが、一度作り帯にされたら、ほどく方はほとんどおられません。
――作り帯にするには?――
作り帯の作り方は、本も出ていますし、ネットにもいろいろ紹介されていてそう難しくないので、器用な方はご自分でも作られます。ですが、帯は厚地の物も多く、芯も入っているので、厚地が縫えるミシン又は技術が必要になります。薄くて縫いやすい生地ならいいですけどね。心得のある方は自己責任でトライされるのも楽しいと思います。私も素人ですが自分で縫いますので(笑)
ですが、プロの仕上がりはやはり違いますよ。
しるくらんどの作り帯“花あわせ”は、一体型(切るタイプ・切らないタイプ)、二部式、名古屋帯、袋帯など、お客様のご要望に合わせて作成致します。もちろん着られなくなった着物や、外国の珍しい生地などから作る事もできます。お気軽にお問い合わせください。ご相談・お見積り(¥5500〜)は無料です。
着物を着るのが楽になる作り帯。つけていても意外と人にはわかりません。ぜひ一度お試しあれ。