♢着物のお手入れ相談や染色補正の実演を見かけたらぜひお立ち寄りください。―着物生活―

百貨店の催事場や、呉服店や、伝統産業のイベントなどに出向くと、いろんな実演をされている所に遭遇する事があります。着物のお手入れやしみ抜きの実演をされている時もありますが、皆さんはご覧になった事がおありですか?今はYou Tubeでなんでも見られますが、職人技を目の前で見ると、動画では得られないいろんな事に気付きます。

 

有松の絞りまつりでも実演が見られました。

 

ここ京都は、染色補正発祥の地でもあり(ブログ「染色補正士という資格」参照)染色補正組合もありますし、着物のしみ抜きの仕事をされている方も多くおられるので、お手入れの実演はわりとよく見かけるんです。でもこれは地域の特徴かも知れませんね。全く一度も見たことない、という方もおられるでしょう。

そういう方にとっては、「本当にこんな古い着物が綺麗になるのかしら?」「こんなキツいしみがとれるのかしら?」「大切な着物は大丈夫なのかしら?」と、謎でいっぱいですよね。

 

実演中にシミ抜きしました。工程が見られます。

 

私達の会社では、昔から、現場のしみぬきの職人が地方の百貨店や呉服店に、実演やお手入れ相談に出向いています。設立当初からご尽力頂いている顧問の先生初め、現在では退職された諸先輩の方々も、そうした歴史を作って来られました。

 

ですから、現在でも、地方で実際にお客様のご質問にお答えしたり、実演したりする時があります。

染色補正の実演は、その時々の会場の設備や環境や、企画によって変わります。シミを抜いて色補正をしたり、柄足しをすることもあります。衿のベンジン洗いや、汗抜きを実際にお見せする時は、ご自宅でされる場合のちょっとしたコツもお話します。

 

職人さんの使いやすい道具もそれぞれあります。お気に入りの霧吹きとアイロン。

 

私達は、この仕事をするための国家資格は持っていますが、大会に出た事もありませんし、年数も10年や15年で、大ベテランというわけでもありません。でも、皆様と同じように着物も着ますし、仕立てもするので総合的に判断できます。着物リメイクも楽しんだりしているので、いろんなお話をされていかれる方が多数おられます。気軽に会話を楽しまれるのも良いですよ。着物を着る同じ女性として、男性には話しづらい質問にもそっとお答えします。

 

例えば、お孫さんの七五三に、娘さんが着た思い出の祝着をどうしても着せたい年配のご婦人。大好きなお母様とお祖母様が着た振り袖を成人式に着たいと願うお嬢様。

かと思えば、新しい仕立てたばかりの訪問着を結婚式で汚してしまわれた方。お宮参り着て行こうと箪笥から取り出したらシミが出ていたという若い奥様。海外に黒留袖を着て行ったという方...

たくさんの着物にまつわる思いを伺うと、同じ女性としてそのお気持ちはよくわかり、手助けをさせていただきたく思いますし、私達も勉強させて頂く事も多く、明日からますます頑張ろうと、こちらも励みにさせて頂いてます。

 

着物のしみ抜きの実演は、他の染め物や織り物や、きらびやかな装飾品の実演と違って、地味かもしれません。でも、着物生活を行う上で欠くことのできない部分なので、いろんな知恵を聞けたりもします。

 

 

もし、皆様の町で着物のお手入れの相談や実演の方が来られていたら、一度足を止めて、ぜひじっくりご覧下さいね。そして着物談義を楽しんでみてください。はじめはちょっと近づきにくいかもしれませんが(笑)どの方も、面白いお話をされるはずです。

 

私達も、またそんな機会があれば、たくさんの方々の着物愛に触れる事を楽しみにしています。

それまで待てないという方は、ホームページからお気軽にお問合せください。リモート相談も無料で行っています。 ですが生地の風合いやお色目、そして“人となり”も、実際お会いするのがやっぱり一番よく伝わりますね。