★塩素系漂白剤に気を付けて! ー着物クリーニングー
皆さんのご家庭では、どのような漂白剤を使用されていますか? 水色のボトルや、クリーム色のボトルが思い浮かびましたか?
では、その漂白剤は、塩素系ですか? 酸素系ですか?
何のこと?! と思われた方は、そのボトルの成分表示など、ラベルをよく見てみて下さい。どこかに必ず書いてあります。 そこに「まぜるな危険」と書かれていたら、きっとそれは塩素系漂白剤です。
そして、着物のしみ抜きの仕事では、この塩素系漂白剤は使用しません。 ですから漂白剤と聞いて、私たちの頭に思い浮かぶのは、酸素系漂白剤。 又は、還元漂白剤なんです。
少し整理しますね。以下のような分類になっています。
漂白の仕組み
- 還元漂白
酸素を奪って色素を除去
- 酸化漂白
酸素と結合させて色素を除去 → ・塩素系漂白剤
・酸素系漂白剤
化学ですね(笑)
塩素系と酸素系はどちらも酸化漂白剤ですが、塩素系は絹や毛などの天然繊維には使用できませんし、色柄物にも使えません。白い綿であったとしても、繊維を痛めてしまいます。
除菌や消毒という意味においての「漂白剤」で、着物のシミを抜いて、補正して元に戻すという意味においての「漂白剤」とは異なります。
特に絹にとって、塩素は大敵です。何かの拍子に誤って付着したら、当然色は抜けますし、生地も傷んで本来の色補正ができなくなります。 色が入らなくなるんですね。 これは他の生地でも同様です。 絹の場合、白地であっても黄色く変色してしまい、戻らなくなります。 たとえシミが抜けて白くなっても、生地がボロボロになったのでは本末転倒です。
私たちは、しみ抜き作業に使う水も、塩素を抜いた水を使用しているくらい、塩素には神経を使っています。
ご家庭で除菌や消毒のために、塩素系漂白剤を使用される際は、くれぐれもご注意下さいね。 特に衣類の漂白は、しみ抜きの技術を持った専門店にご相談下さい。
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