◇浴衣の着こなし便利アイテム!浴衣を着る時のポイントと裏ワザ(後編)-着物生活ー
後編では、浴衣を着るポイントです!
- 全体のシルエットを整える
- 下着は汗を吸い、足元は滑りよい素材で!
- 衣紋と衿合わせ方、帯でイメージ作りを!
- おはしょりはスッキリと!
- 伊達締め、帯板は要るの?
- 滑らない帯は着崩れしない?
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1.全体のシルエットをフラットにするのが基本。
いわゆるずんどうですね。ウエストがくびれている人はくびれにタオルなどを巻きます。胸が大きい人はスポーツブラなどで押さえます。とは言え、やりすぎては味気ないものです。自分の凹凸をよく見極めて必要な所だけ補いましょう!
*裏技:胸が大きい人は帯の上に胸が乗ってしまって、思うような着姿にならず、落ち込んで二度と着ない!と泣く泣くあきらめる…なんて人も多いですが、ちょっと待って!胸は、平たく押さえるのではなく、寄せて上げて小さくします。それには、晒(さらし)を使ってみましょう。綿100%がオススメで和装品売り場や手芸店でも安価で手に入ります。長さはバスト×約3倍あればOK。半分に折って胸を下から持ち上げるように締めながら巻いて行きます。上手く巻けるようになれば安定感があって、汗止めの効果もあります。(参考ブログ汗と皮脂対策編) スポーツブラの上に晒を巻けば完璧です!
くびれに巻くタオルは温泉タオルのように薄いものが2枚あると便利です。とっても細い方はスポーツタオルがおすすめ!若い方に多いのですが、背中が反っている方はもう一枚タオルを後ろに入れるとお尻がぽっこりしなくてスッキリ見えます。帯を平らに巻けるように隙間にタオルを入れる感じです。
お腹が気になる方は、裾除けでお腹を持ち上げて押さえ、ガードルのように使うことがでます。
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2.下着を着る
上半身は、ガーゼ素材などの和装の肌襦袢がオススメですが、無ければ胸の開いた綿または綿の入った素材のTシャツでもOK。汗をとってくれ、滑りを押さえて着崩れを防ぐ効果があります。でも、冷感素材などの化繊のものには滑ってしまうものや汗も吸わないものがあり、あまり適していないようで失敗した事があります。
下半身は、上半身と違って滑る素材の方が足さばきよく歩きやすいです。裾よけや綿のステテコ、又は素足でも、汗で絡んで歩きにくい事があります。滑りやすい下着を付けておけば浴衣を裾つぼまりに合わせやすいです。
洋装のペチコートで代用できますが、濃い色や少し厚手の浴衣ならオーバーパンツやトランクスタイプのパンツなどの重ね着でもいいですね。
*裏技:薄い生地で透けてしまうのが恥ずかしい時は、一番快適だったのが、冷感素材のステテコ、キャラコです。Tシャツもキャラコも色は薄めのピッタリサイズがオススメです。
浴衣用スリップを手に入れれば上は滑りにくく下は滑る涼しい素材になっているものが多く、こちらも便利です。
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3.衣紋を抜く
なんと言っても決め手はここ!慣れれば簡単です。
初心者がやりがちなミスは肩山を洋服と同じように肩に乗せること。とりあえず最初は肩山を少し背中の方にずらしてみて下さい。そのまま衿はあまり立てないように胸を包み込むように合わせて。鏡を見ながらこぶし一つ分、抜きすぎないように繰り返し練習するのが一番です。
近年、洋服でも大人女子な着こなしとして抜き襟スキッパーシャツが人気ありますので、衣紋の抜き加減もイメージしやすいかもしれませんね。抜き衿がシャープだとカッコイイ印象ですし、ゆったり丸く抜いているとリラックスした印象ですね。
首肩の形と髪型に合わせてバランスを見てお好みの抜きを見つけてくださいね。ちなみに首回りがゆったりした衣紋は艶っぽいですが、玄人な印象を受け老けて見えたり、だらしなくなったりすることがありますのでご注意を。浴衣だからこそ清潔感が大切にしたいですね。
*裏技:衿芯を入れると抜きやすく、決まります。かけ衿の縫い糸を切って差しこみますが、布に切れ目が無い場合は、裏のくけを切ってあと少し縫い止めておきましょう。衿芯が無い時の代用品、紙で代用する場合は、白い紙で。カレンダーなどの色のついた紙は汗で色が移る恐れがあります。牛乳パックはコーティングされているので使えそうです。クリアファイルを切ってつなげる場合は、つなぎ目を4~5㎝くらい重ねましょう。
*ワンランク上の裏技は、肌襦袢に衿をつけて半衿をつければ、どんな浴衣でも衿芯を差し込める「浴衣専用肌襦袢」の出来上がり。半衿には、綿や麻素材の物を。可愛い日本手ぬぐいもよく合うので、コーデも広がって楽しくなります。
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4.おはしょりを整える
おはしょりを綺麗に整えるには腰紐で出来たシワを脇に寄せてしっかり伸ばすのがミソです。裾を合わせるときにサイズが大きめの時は、下前は脇で折り返します。後ろまで巻き込むと歩けなくなるので注意。上前を合わせて腰紐を結びます。集まったシワは脇でタックを取ります。すると厚みが取れた分、腰紐が緩むのでもう一度、緩みを締めて結び直すと着崩れにくくなります。タックは腰紐の上と下を持って後ろ向きに折り紙のようにたたむと取りやすいです。
*裏技:上級者は着物のようにおはしょりを上前の一枚だけにして整えるのがスッキリます。初心者は2枚のままで良いので腰紐が決まったら、次に身八つ口から手を入れ前も後ろも”手刀を落とす”おはしょりの底に手当てスッとシワなく通すことで薄くピタッと体に添ってくれます。この時そのまま肩山を後ろにずらして衣紋を抜き、衿の重ね具合を決めて合わせておきます。胸紐したあと腰紐と同じくシワを伸ばし、タックをとります。これでほぼおはしょりも平らですね。
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5.伊達締め・帯板を使う
伊達締めは、着付けが安定するの一日中着ていても安心ですし、慣れれば暑い日は途中で抜く事もできる便利なアイテムです。帯板もあれば断然お腹が楽ですし、柔らかい帯でも折れてシワになりませんので見た目も綺麗です。帯板は浴衣の場合、ベルト付き帯板より前に差し込むタイプがオススメです。
*裏技:帯板が無い場合は、衿芯と同じく代用品を自分で作れます。紙ならばやはり色落ちしない白い厚紙を。牛乳などの紙パックなども使えそうです。クリアファイルを切る場合は、折れないように何枚か重ねて下さい。不織布や白い薄いハンカチなどで包んで周りを縫ってしまえば何度も使えます。(実は子供の帯板など小ぶりなものが半巾帯にはちょうどよい!)
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6.帯を選んでしっかり結ぶ
帯を選ぶ時、一番注意したい点は「滑り」「色落ち」ですが、今回は「滑り」についてお話します。
化繊の帯は、滑るのでだんだん緩んできます。帯の結び目が落ちてしまうとだらしなく見えます。
絹や綿の滑らない帯は締める時はやりにくいのもありますが、締めてしまえば安定感があります。やりにくい時は少しずつ帯の下の方に手を当てて送りながら絞めていきます。貝の口やかるた結びなどのペタンコ型の結び方にして帯締めを使って留めておくこともできます。
また、化繊よりも絹や綿や麻といった天然素材の方が暑さもましなようです。
帯の下側を持って締めるとよく締まります。しかも体に付いてスッキリして見えますよ!上は締めると苦しいので息しながら締めてくださいね。
いかがでしょうか?
まだイメージがつかめない、という方は、とりあえず浴衣を着て家で一日過ごしてみたり、温泉とか行った時は旅館の浴衣を着た時にちょっと気にしてみたりしてください。
着慣れてくるといろいろ工夫することが楽しくなりますね。着物が着られなくても、振り返られる浴衣美人になれるのは夢ではありません。
小さい頃は普段の下着の上に、揚げをした浴衣に付け紐をぐるりと回して結ぶだけ。あとはへこ帯で蝶々結びしてもらって終わり、あとはお祭りをいつもと違う装いにはしゃいで楽しんだ思い出があります。堅苦しく考えず自分なりの着こなしを見つけてください。ぜひお友達にも教えてあげてくださいね。
そして着方は浴衣も着物も基本は同じ、“着物女子”もそう遠くはありませんね。
関連動画「簡単に作れる衿芯&帯板」も併せてご覧ください。
#浴衣の着こなし
#手作り衿芯・帯板