☆着物にはさんである紙はなんのため?-着物雑学ー
着物を新しく誂えたり、専門店へお手入れに出したりしたことがありますか?
たとう紙を開けると仕上がった着物が綺麗にたたまれて、その間や隙間に紙が何枚かはさまれています。
この紙は縫い代の当たりによって型が付いたり、運搬中の揺れや振動でシワになったりするのを防ぐために入っています。保管中にたんすの中で綺麗な形を保つ型くずれ防止のためのものではないのです。意外と知られていないんです!
では、この紙、入れたままでもよいのでしょうか?
実は、紙をたとう紙の中に入れたままにしておくと紙が湿気を溜めてしまうので、着物に大変悪影響を及ぼします。(ブログ「絹で作られた着物は湿気が大敵です。」参照)
紙にもいろんな種類がありますが、この場合に使われる紙はズレ防止が目的なのでたいていは通気性の低い堅い紙が使われています。和紙のように通気性のある柔らかい紙では意味がないんですね。そのため、紙が湿気を溜めなかったとしても、着物の通気性が損なわれてしまいます。
お誂えした着物やお手入れの済んだ着物がお手元に届いた時、そのままたんすに直行していませんか?
近いうちに着用予定がある、というのであれば少しくらいそのままでも大丈夫でしょうが、それも程度の問題です。長期にわたってそのまま大事にしすぎてしまうと…
紙の形に褪色、変色したり、カビが出て変色したり、サビが出たり…
様々なトラブルの原因になります。
「紙は抜いてから」たんすに入れてくださいね!
「せっかく綺麗にたたんであるのに紙を抜いたら崩れてしまって、自分で上手にたためないかも?!」という方のは、動画『たとう紙一枚のスペースで着物がたためます!』『たとう紙一枚のスペースで長襦袢(関西式)がたためます!』をご参考にたたんでみてください。
また、ビニール袋やポリ袋などもNGです。
たんすの中に入れないでくださいね。もし、クリーニング屋さんのポリ袋に入ったものが同じ引き出しに入っていたら、それも外してくださいね。紙よりさらに通気性が悪いので、中に入っている衣類にとっても良いことではありません。
因みに、たとう紙は通気性に優れている和紙が使われていますが長く使うと湿気を含んで傷んできますので、虫干しした時に新しいものと交換すると良いでしょう。保管環境にもよりますが、少なくとも2年に1度くらいは交換することをお勧めします。
正しく保管することは着物をいつまでも美しく保つ秘訣の一つですね。
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