★血が取れにくいのは何故?(着物の汚れ_その2)ー着物クリーニングー

~絹はタンパク質で出来ている~

 

絹に付いた血液が取れにくいという話をする前に、まず、着物の多くは絹で出来ているので

その絹についてお話しする必要があります。

 

〝絹の主成分はタンパク質″です。

 

タンパク質の繊維は絹やウール、羽毛などの動物繊維と、再生繊維(キュプラ、レーヨンなど)の一部もありますが、私たち人間の肌も同じタンパク質。血、玉子…などにも同じ成分が含まれています。

 

蚕の繭から作られた絹は、人間の肌と同じ成分から出来ているので肌触りがいいですね。

「繊維の王様」と聞いたこともあるし、「繊維の女王様」とも聞いたことがあります。

…どちらが偉いのでしょうね(笑)

 

とにかく、すごい繊維だということです。

 

昔、昭和初期にはパラシュートやハンモック、機械の歯車(外側は金属で内側が絹)に使われていたほどの強靭さもあれば、現代では、化粧品やサプリメントも作られています。

…なるほど、王様であり、女王様でもあるようです。

 

その主成分がタンパク質であるからこそ、数々の長所があり、また短所もタンパク質であるがゆえの事が多いのです。

 

・黄ばみ、変色が出やすい。(アミノ酸が酸化しやすい)

・虫に喰われやすい

・熱に弱い

 

などの弱点は、タンパク質素材ならではです。(縮みや日光に弱いなどは別の理由です)

 

 

そしてもう一つ、

タンパク質を含むシミは、成分同士が分子レベルで結合してしまうため、大変取れにくくなります。

 

 

 

料理の食べこぼし、母乳、赤ちゃんのよだれもそうですし、タイトルにあります「血」にも含まれています。

たんぱく質の固着

 

特にタンパク質は熱で固まる性質を持っています。

なので、熱を当ててしまったり、時間が経つと結合が進んでしまって取れなくなってしまうのです。

 

もしもシミがついたら

早めに専門店でしみぬきをしてもらいましょう。

丸洗いだけでは取れませんので、ご注意ください。

 

絹は、特徴やエピソードだけで分厚い本が書けてしまうほどの奥深い素材です。

これからも時々絹のお話をさせていただきますので、ご期待ください。

 

しるくらんどには、女性の補正士がおります。

検品、ご相談に無料でご対応させていただいておりますので、安心してお問い合わせください。

 

関連動画「シミ抜きのお仕事「襦袢に付いた古い血 こうして落とします!」もございます。併せてご覧ください。

 

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